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https://www.workflow-ex.jp/wp-content/uploads/2022/12/wfex-case0015.pdf |
WORKS導入事例とその効果
フジッコ株式会社 様
柔軟で集中対応が求められる申請業務の変革
現場主導のDX推進に「ワークフローEX クラウド版」
昆布と豆のトップメーカーとして知られるフジッコ株式会社では、営業部門での取引先交渉を社内で承認する申請書業務が存在する。このやりとりをハブとなってコントロールするのが営業管理室だ。Excel帳票を電子メールで承認ルートに載せていたが、繁忙期には100を超える申請案件が同時並行で動き、担当者はまさに忙殺されていた。
コロナ禍で営業部門がコミュニケーションに苦慮していたのもあり、営業管理室はDX推進を決断。既存のExcel帳票を活用でき、自部署で管理・運用が完結できるソリューションとして「ワークフローEX クラウド版」を選択した。
申請書管理業務は大きく省力化され、導入から3カ月で40万円のコスト削減が実現。平均決裁期間も半減し、申請業務のスピードアップというDXも達成した。
1960 年、「株式会社富士昆布」として創業以来、一貫して「健康」と「美味しさ」そして「安心・安全」にこだわった製品を届けてきたフジッコ株式会社。現在では、昆布や豆などの日本の伝統食を社会的背景や変化するニーズを捉えてアレンジするとともに、「健康」を軸に世界の食文化を取り入れながら、自由な発想で新たな価値を生み出している。同社がめざしているのは、自然の恵みに感謝し、美味しさを革新し続け、すべての人々を元気で幸せにする健康創造企業だ。
社名:フジッコ株式会社
所在地:神戸市中央区港島中町6丁目13番地4
資本金:65億6,653万円(2022年3月31日現在)
設立:1960年11月7日
従業員数:2,486名(フジッコグループ全従業員)
事業概要:各種食品の製造販売
URL:https://www.fujicco.co.jp/
STORY 1繁忙期100を超える案件が同時に動いた 営業部門の申請業務
昆布の佃煮や煮豆が食卓に並ぶと、ついほっこりする。それは日本人のDNAだ。フジッコは、日本が世界に誇る伝統食品を60年以上にわたって提供している食品メーカーだ。近年は昆布と豆のトップメーカーとしてこれらの価値を追究することに加え、惣菜、ヨーグルト・デザート分野といった新市場の開拓にも積極的に挑戦。なかでも「カスピ海ヨーグルト」は新しいロングセラー商品になった。新しい企業スローガン「おいしさ、けんこう、つぎつぎ、わくわく」には、安心、安全でいつも新たな発見のある食生活を、チャレンジ精神をもって提案する“フジッコの心”がこめられている。
食品メーカーの営業部門にとって、仕事は交渉の連続だ。取引先に対して新規取引や新商品の取り扱いを持ちかけるとともに、やむを得ないときには値上げなどもお願いしなければならない。交渉の結果、条件がまとまったら、今度はそれを社内に認めてもらうことになる。営業管理室が、最前線の営業担当者に対して上長提出用の申請書を用意するとともに、申請書が提出されたらそれを公式の書類として受けつけ、承認フローへ回し、その過程をチェックする。案件の内容によって、申請者から営業管理室でのチェックを経て簡易に決裁されるものもあれば、何段階もの決裁プロセスをたどるものもある。
もともと、こうした申請書の類は紙ベースで管理されていた。しかし、紙の帳票では進捗の把握が難しく、後から探し出すのも困難だ。そこで申請書をExcel帳票とした。これによって、この取引条件であればこれだけの売り上げが見込める、といった複雑なシミュレーション機能を埋めこめるようになった。しかし、承認フローは電子メールの添付ファイル形式であったため、そのつどダウンロードして中身のチェックが必要だった。そして電子押印し、ファイルを次の承認者別に整理し、また電子メールに載せていた。営業管理室ではExcelの稟議台帳を用意して管理していたが、春と秋の新商品シーズンなど繁忙期には100を超える申請案件が同時並行で動き、担当者はまさに忙殺された。
そこを襲ったのがコロナ禍である。テレワークシフトにより、現場の営業担当者が上長とコミュニケーションを取るのに苦労していた。営業管理室はこれを見て、申請業務に改革が必要だと判断。着目したのが承認フローのワークフロー化だった。フジッコ株式会社営業本部 販売戦略部 営業管理室 リーダー 仲島 茂氏は、次のように語る。
「全社標準のワークフローシステムはありましたが、新規の申請書やフォームの仕様変更が常に求められる営業案件に対応するのは困難でした。さらに、情報システム部門に依頼すれば、時間もコストも覚悟しなければなりません。営業管理室で開発・運用が完結できるツールはないかと思って立ち上がりました。DX推進の意味合いもありました」
STORY 2「ワークフローEX クラウド版」に候補を絞り、 各種機能を評価して採用を決定
Excelとワークフロー、この2つのキーワード検索でヒットしたのが「ワークフローEX クラウド版」だった。2020年12月、仲島氏はナルボに問い合わせ、1週間後にはトライアル利用を開始した。Excelをフォームとして利用できるソリューションは見当たらないと早い段階でこのサービスに候補を絞り、導入可能かどうかの観点で本業のかたわら調査を進めていったという。そして翌年12月、採用を決断した。フジッコ株式会社 営業本部 販売戦略部 営業管理室リーダー 樂万 真由美氏は、次のように語る。
「既存のExcel帳票がそのまま使えるという点で、唯一無二の解決策でした。Excelは社会人になってまず習得するOfficeツールで、営業管理室にもExcelを使いこなせるというメンバーがたくさんいます。柔軟に対応することが必要な申請業務を、これなら他の部門の手を借りることなく運用していけると思いました」
決断を後押しした機能も多数ある。まずは予定機能だ。これは、やがて回ってくる承認案件を承認者があらかじめ把握できるというもの。多忙な承認者にとって、前もって仕事を予定できる効果は大きい。また「ワークフローEX クラウド版」では、フォームに十分なコメントブロックを持つことができる。これにより、申請書・承認者がその申請案件で訴求したいことを帳票で伝える事が可能だ。さらに、現在進行中の申請案件一覧機能、採番機能、申請の差し戻し機能、申請書の検索機能も高く評価された。
仲島氏がこだわった機能の一つに、データ連携機能がある。申請書は決裁が下りたらそれで終わり、というわけではない。たとえば、そこで承認された取引条件は、その後の取引にそのまま反映される。従来、そうしたデータは決裁後、別のシステムに手作業で入力されていた。しかし、データ連携できれば省力化できる。このサービスにはCSV出力機能があり、その後のデータ活用が可能だった。
STORY 3導入3カ月で40万円のコスト削減 平均決裁期間も半減で業務スピード向上
サービスに搭載するマスターデータ整備も、営業管理室が本業の合間を縫って進めていった。晴れて本稼働を果たしたのは、2022年6月。現在のユーザー数は、営業管理室の15名を含め、営業本部の220名。当初は申請書5帳票でスタートしたが、現在は13帳票にまで増加した。DX推進メンバーとして今回のプロジェクトに尽力したフジッコ株式会社 営業本部 販売戦略部 営業管理室 佐々木 裕樹氏は、導入効果を次のように語る。
「報告用に効果を算出してみましたが、業務負荷が低下しているという観点で、導入3カ月で約40万円のコスト削減が実現しました。また、平均決裁期間もほぼ半減して業務がスピードアップしています」と語る。
これを補足するのは、申請書管理を担うフジッコ株式会社 営業本部 販売戦略部 営業管理室 リーダー 森元 誠也氏だ。
「1 件あたり約5分の作業時間短縮が可能で、導入以来240件の申請書を受理したことを考えると、20時間を別の仕事に割ける時間が生まれたことになります。なにより稟議台帳が不要になりました。また、承認フローの進捗状況がわかるため、ピンポイントで督促できます。営業担当者からも『マスターデータ利用で最低限の記入ですむ』と好評です」
一方、フジッコ株式会社 営業本部 販売戦略部 営業管理室室長 岸本晃典氏は、マネジメントの立場からこう語る。
「紙は紛失のリスクがあり、電子メールでは決裁時間をコントロールできないのが課題だと思っていました。それを解決できたのは大きな効果です。また、回覧も可能で、情報共有という観点でここが意外に重要な機能だと実感しています。最近では、申請書に限らず承認・回覧が必要な業務は、『ここに載せたらどう?』と話をしています」
今後、営業管理室では、情報システム部門と協力しながら、当初からの要望だったデータ連携を実現させる予定だ。また、改正電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応したい、と仲島氏。また、DX推進チームにもこのサービスを紹介。現在、Excel 帳票が存在する、その他の稟議案件にも適用を検討中だ。フジッコでは、「ワークフローEX クラウド版」を起点に、まさに現場主導のDX が進められている。
ご対応いただいた方々
フジッコ株式会社 営業本部
販売戦略部 営業管理室
リーダー樂万 真由美 氏
フジッコ株式会社 営業本部
販売戦略部 営業管理室佐々木 裕樹 氏
フジッコ株式会社 営業本部
販売戦略部 営業管理室
リーダー森元 誠也 氏
フジッコ株式会社 営業本部
販売戦略部 営業管理室
リーダー仲島 茂 氏
フジッコ株式会社 営業本部
販売戦略部 営業管理室
室長岸本 晃典 氏