【初心者向け】ワークフローとは?基礎知識や課題をわかりやすく解説

事業活動の業務効率化や生産性を高めるために、欠かせない取り組みに「ワークフロー(業務の一連の流れ)の効率化」があります。そのためには、従業員の勤務状況や業務の進捗などに関わるさまざまな申請や稟議についても管理することが必要です。

しかし、「ワークフローとはどのようなもので、なぜワークフローの効率化が必要なのか」についていまいちイメージができないという方もいるでしょう。

そこで、この記事ではワークフローの概要やよくある課題、ワークフローシステムを導入するメリットについてわかりやすく解説します。

【基本】ワークフローとは

ワークフロー(Work Flow:業務の流れ)とは、「一連の業務の流れ、または業務において行うべき処理の順序」のことです。またワークフローを表した図のことをワークフロー図と呼びます。

企業規模や業種、職種に関わらず、ほとんどの業務は誰かの一存で決定することはなく「起案者が、内容を書類にまとめて申請→上長や関係者が確認後、承認→最終決定者が決裁」という流れで意思決定が行われます。

ワークフローの役割

事業活動におけるワークフローの役割は、関係者内での情報共有の迅速化や事業に関する意思決定の円滑化、精度の向上にあります。また、誰がどんな目的でどのような申請・承認をしたかを可視化できます。

なぜかというとワークフローを行うことで、関係者全員が集まって会議することなく、最小限の時間での情報共有や意思決定が可能になるためです。

というのも規模が大きい企業になると、数百件件以上の申請案件が同時並行することもあるため、一つひとつの申請案件を関係者全員が一度に時間を取って確認することは現実的ではありません。

またワークフローが適切に機能すると、特に多忙な責任者クラスはある程度洗練された申請案件のみを確認すれば良くなるため負担を低減できます。

<h3>ワークフローの具体例</h3>

ここでは、ワークフローのイメージがわかないという方のために、企業で行われる一般的なワークフローの具体例を紹介します。

< 総務部門による備品発注業務におけるワークフローの例>
1. 一般社員が備品の発注を申請
2. 上長が承認
3. 総務部門長が承認
4. 総務担当が発注

<経理部門による経費精算業務におけるワークフローの例>
1. 一般社員が経費精算の申請書を提出
2. 上長が承認
3. 経理部門長が承認
4. 経理担当が払い戻しや記帳を行う

<人事部門による採用選考業務におけるワークフローの例>

【採用選考業務の大まかな流れ】

一般的な選考フロー

各ステップではさらに細かく次のような事務手続きを行います。

ステップ名 担当 作業内容
適性試験 人事担当 入社希望者へ適性試験の案内など
適性試験結果連絡 人事担当 適性試験の結果連絡、一次面接の日程調整など
一次面接 当該部担当 面接、選考会議など
一次面接結果連絡 人事担当 一次面接の結果連絡、役員面接の日程調整など
役員面接 役員 面接、選考会議など
選考結果連絡 人事担当 選考結果の連絡など

このように、業務ごとに決められた手順に従って発生する関係者間の一連のやり取りや事務手続きなど、その業務の流れや処理を図式化したものが「ワークフロー」です。

ワークフローは、誰がどんな目的でどのような申請・承認をしたかを可視化する重要な役割を担っています。

業務効率化を阻むワークフローの課題

ワークフローが適切に機能していれば、スムーズな意思決定につながるものの、実際には多くの企業がワークフローに何らかの問題点を抱えています。ワークフローが円滑にできていないと、業務効率化や生産性の向上の大きな妨げになります。

以下に、よくあるワークフローの課題についてまとめましたので、自社に該当しないかどうか確認しましょう。

【書類の保管・管理に関する課題】

  • 必要な書類がどこにあるかわからず、検索に時間がかかる。
  • どこに必要な書類を保管すべきかわからず、誰に確認すべきかもわからない。
  • 書類の紛失がよくある。
  • 過去の申請書類を保管することで、オフィスのスペースを圧迫している。

【申請・承認に関する課題】

  •  申請・承認の進捗状況がわからない。
  • 申請書類のフォーマットが定まっておらず、毎回作成している。
  • 文書の内容を業務システムに転記する必要がある。

こうした課題は、特に紙文書やメールでワークフローを行っている場合に発生しやすくなります。そこで、昨今ではより効率的にワークフローを運用するためにワークフローシステムを導入する企業が増えています。

ワークフローシステムとは?

ワークフローシステムとは、ワークフローを電子化できるシステムです。これまで紙の場合には、「申請書類に記入→上長に提出→承認の場合には承認、差し戻しの場合には修正内容をメモする→次の対象者に回す」といった作業を行っていました。

ワークフローシステムでは、こうした作業をすべてシステム上で行います。そのためワークフローシステムをインストールしたパソコンやタブレット、スマートフォンなどの媒体があれば、いつでも・どこでも申請承認作業を行うことが可能です。

業務効率化や生産性向上につながることから、最近では、DX化の一環としてまずワークフローシステムをバックオフィスに導入する企業が増えています。

ワークフローシステムを活用できる業務

ワークフローシステムを活用できる主な業務について以下にまとめました。

  •  物販・備品購入や支払い稟議
  • ソフトウェアやハードウェアなどの利用許可申請
  • 採用や異動などの人材採用に関する稟議
  • 休暇取得申請や残業申請などの
  • 交通費や交際費などの経理精算にかかる申請見積もりや提案書などの営業部門の契約にかかる申請
  • 会計システムや人事システムなどのシステム連携による手続き
  • その他

ワークフローシステムは、さまざまな申請承認業務に活用できます。多種多様な申請書類をシステム上で一元管理できるため、管理業務も大幅に簡略化されます。

ワークフローシステムの機能

以下に、基本的なワークフローシステムの機能についてまとめました。

・フォーマットの設計機能
ワークフローで使用する申請書や稟議書などのフォーマットを設計する機能です。
従業員が使用しやすいフォーマットを作成することで、従業員が申請ミスする可能性を低減できます。そのため、フォーマットの設計機能は非常に重要です。直感的に設計できることが大切です。またワークフローシステムによっては、ExcelやWordで作成したフォーマットをそのまま取り込むことが可能な機種もあります。

・申請ルートの設定機能
ワークフローの申請→承認→決裁までのルートを設定する機能です。申請や稟議内容の種類や条件により、複雑なプロセスになる場合もあるため、柔軟に設定できる機能性をもったシステムを選ぶことがおすすめです。

・ 申請書の作成・修正機能
起案者がフォーマットをもとに申請書を作成・修正するための機能です。
誰でも使用しやすいように編集可能箇所を限定したり、申請書の種類によっては自動計算できるように設定したりすることも必要です。

また申請書の差し戻しがあった場合にも、内容を修正・取り消しすることも可能です。

・ 承認・決裁機能
申請書類の内容をシステム上で申請、または承認・否認できる機能です。
承認者が作業を行ったのち、メールで「承認依頼通知」、「完了通知」、「差し戻し通知」などを通知設定することも可能です。

上記はワークフローシステムとしてできることの主な機能の一部です。検討しているワークフローシステムがある場合には、どのような機能を備えているのか事前に確認しておきましょう。

ワークフローシステムを導入するメリット

ここでは、ワークフローシステムを導入するメリットを解説します。

ペーパーレス化(コスト削減)

文書を電子化することによってペーパーレス化を実現できます。検索機能で見つけたい文書をすぐに検索できるため、「指定フォーマットがどこにあるのかわからない」と束になった書類から検索する手間や時間の大幅な削減につながります。

またペーパーレス化により、紙代やインク代、ファイル代などにかかっていたコストの削減可能です。

【関連記事】:ペーパーレス化への一歩はワークフローシステムの導入から

ワークフローの可視化による業務効率化

ワークフローシステムを導入することでワークフローを可視化する動機づけになります。可視化することで、ムダな承認プロセスが発見されたり、複雑化した承認ルートを見直したりするきっかけになるでしょう。

決裁までの時間を短縮

ワークフローの可視化により、承認ルートを見直したり、システム上で簡単に承認・決裁できたりすることから、決裁までにかかる時間を大幅に短縮できます。

また申請の進捗状況をシステム上で確認できるため、滞留している場合にも誰のところに申請書があるのかを把握できます。すぐに関係者に連絡することで滞留を防止できるため、時間短縮につながるでしょう。

内部統制の強化

紙文書の場合、承認ルートは「この申請の場合、次は誰に回せば良かったか?」とわからなくなる可能性があります。その結果、ルールと異なる承認ルートを辿り、問題やトラブルにつながってしまうことも。

しかし、ワークフローシステムの場合には、事前に承認ルートを設定することで、次の決裁権者に文書が自動的に回付されます。そのため、内部統制の強化につながります。

また承認履歴や決裁情報などもシステムで管理されているため、文書の改ざん防止などにも役立ちます。

ワークフローシステムは内部統制を強化する!?その理由と効果を紹介

他システムとの連携によるミス防止や作業効率化

決裁された情報を他システムへ連携することで転記による人為的な入力ミスを防ぐことができ、作業効率を改善することができます。

働き方改革に対応できる

ワークフローシステムは、インターネット環境があればPCやスマホを介して場所を問わずに申請・承認業務が可能です。そのため、リモートワークや在宅勤務をはじめとした働き方改革に対応できます。

ワークフローシステムを選ぶ際のポイント

ワークフローシステムを選ぶ際は主に以下の3つのポイントをチェックすることで、導入効果を得られやすくなります。

1. 申請フォーマットをチェックしておく

ワークフローシステムは製品によって申請フォーマットが異なり、Web専用フォームタイプとExcelタイプの2種類があります。

Web専用フォームタイプのワークフローシステムは、一から申請フォームを作成し直す手間がかかります

現在、申請・承認書類をExcelで作成している場合には、書類をそのまま取り込むことが可能なExcelタイプのワークフローシステムがおすすめです。申請フォームを再度作成する手間がなくなり、使い慣れたフォーマットを使用できることで、スムーズな移行につながります。

2. システム連携が可能かどうかを確認する

ワークフローシステムを導入する際はシステム連携が可能かどうかも確認しておきましょう。特に、基幹システムや各種社内コミュニケーションツールなどと連携できるかどうか、チェックしておくのが重要です。

3. サポート体制が充実しているかどうかをチェックする

ワークフローシステムを導入後に使いこなす、あるいは故障時に早急に対応するには、メーカーによるサポートが必要です。

サポート内容はメーカーによって異なるため、事前にサポート内容を確認しましょう。

企業の規模や特徴に合わせたワークフローシステムの選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

関連記事:【企業別】ワークフローシステムの選び方は?失敗しないポイントを解説

4. 柔軟な承認ルートの設定が可能か

小規模な企業の場合、シンプルな承認ルートが多いため、承認ルートの設定機能は重視しないという企業も多いかもしれません。

しかし、将来的に社員を増員する場合や部署を増設する場合には、柔軟な承認ルートの設定が可能なワークフローシステムを選ぶことがおすすめです。人や部署が増えると、承認ルートが複雑化しやすいため、長期的な目線で検討すると良いでしょう。

5. 操作感

ワークフローシステムを実際に使用するのは、従業員です。そのため、従業員が直感的に使用できるような操作感かどうかを確認しましょう。

特にITリテラシーの低い従業員が多い場合には、操作感は非常に重要です。従業員の意見も取り入れながら選ぶと良いでしょう。

Excel書式のワークフローシステムなら「ワークフローEX」がおすすめ

ワークフローシステムは、既存のワークフローを電子化するツールです。ペーパーレス化や決裁までの時間短縮などのメリットは、労働生産性の向上につながるでしょう。

「ワークフローを電子化したい」「業務効率化を図りたい」という場合には、ワークフローシステムの導入が適しています。

その際、現在使用している申請フォーマットがExcelの場合には「ワークフローEX」の導入がおすすめです。Excel書式の申請フォーマットを、そのままシステム上に取り入れることが可能です。

ワークフローシステムをご検討の方はこちら
https://www.workflow-ex.jp/cloud

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執筆者プロフィール
株式会社Knowlbo 代表取締役 斎藤友男
株式会社Knowlbo 代表取締役 斎藤友男
1986年、株式会社Knowlbo入社。コンパイラの開発からスプレッドシート、ビジュアルプログラミングツールなど、数々の言語処理系ソフトウェアを開発。 1994年に代表取締役に就任。多くのCOMコンポーネント製品をリリース。 .NETにも逸早く注目し、早くから.NETベースのオフィス系情報共有製品を次々にリリース。 その中の「ワークフローEX」は、2007年「Microsoft Innovation Award」のコマーシャル部門で優秀賞を受賞。

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