企業活動を行うにあたり、さまざまな業務を行う必要があります。申請・承認、決裁などの業務は担当者だけでなく、直属の上司や部門長が確認・承認してはじめてその業務に取りかかることができます。
ワークフローとは、そうした業務の一連の流れのことです。
ワークフローにおける申請から承認までのルートが複雑になり、何人もの人が関わることで煩雑になりやすい傾向があります。その場合、無駄な労力や経費がかかっている可能性もあります。そのために、ワークフローの自動化が推奨されるようになってきました。
そこで今回は、ワークフローの自動化が導入されるようになってきた背景やメリットについて解説していきます。
ワークフローの自動化とは
従来、ワークフローは、申請書類などの紙によって行われてきました。例えば、文房具などの消耗品を発注したい場合には、申請者が申請書類に記入し、その書類を上司のデスクまで持って行く必要があります。そこから、上司が確認の印鑑を押し、さらに部門長のデスクへ…といった具合に実施されていました。
ワークフローの自動化とはこうした申請やデータ入力などの作業を、従業員に代わってワークフローシステムなどのツールを利用して行うことです。単調な作業の自動化が可能なワークフローシステムは、企業活動を最適化していくために欠かせないツールになっています。
ワークフローの自動化が推進された背景
ワークフローシステムを選定するために、自社のワークフローやシステムについて確認を行ったら、次にワークフローシステムの種類について理解しましょう。
自社に適したタイプのワークフローシステムを見つける参考にしてください。
システムの進化
大きな背景として、IT技術の進化があります。ワークフローシステムが誕生したことで、これまで紙文書で行っていた業務フローの自動化が可能になりました。
内部統制の構築は、ワークフローを自動化することが非常に有効な手段の一つであるため、ワークフローシステムの導入が進められています。
内部統制の構築に貢献
内部統制とは、企業が健全な事業活動を行っていくために、従業員が守るべきルールや仕組みを整備し、運用していくことです。法令を遵守し、資産を守りながら事業活動を続けていくために、内部統制を構築することが企業に求められるようになりました。
他システムとの連携性や部署をまたいだ承認フローへの対応、自動催促があるシステムなどさまざまなサービスがあるため、自社の目的と照らし合わせて検討が必要です。
クラウドサービスの発展
ワークフローシステムが誕生したころは、オフィス内にワークフローシステムの設備を置き、社内でサーバーやシステムを構築・運用するオンプレミス型が主流でした。しかし、オンプレミス型は手間や費用がかかることもあり、導入に踏み切れない企業が多くありました。
その後、クラウドサービス普及に伴い、ワークフローシステムにおいてもクラウドを利用したサービスが多く発売されるようになりました。クラウドサービスは、低コストでなおかつ、運用しやすいことから、ワークフローシステムの導入がより進められるようになっています。
ニューノーマルの定着
コロナウイルスの流行により、働き方をはじめとし、生活に変化が生まれました。そうした変化がニューノーマルとして定着した今、在宅勤務やリモートワークが多く導入されるようになっています。
その結果、ワークフローをどこにいても行うことができるワークフローシステムの導入が必要不可欠となっているのです。
ワークフローを自動化するメリット
多くの企業で導入が進められているワークフローシステム。企業体制に取り入れることにより、受けられるメリットについて解説します。
申請・決裁の業務効率化
ワークフローシステムにより、業務一覧や業務フローが可視化されるため、申請・決裁業務における労力やかかる時間が大幅に削減されるため、業務効率化につながります。
紙文書の場合、書類をパソコン内や書棚から探し、記入したうえで上司に提出するという手間がかかります。さらに、上司などの管理者は承認作業が多くなるため、書類の優先順位や緊急度の管理が難しくなる傾向がありました。
ワークフローシステムを導入により、こうした課題のソリューションにつながり、申請者はシステム上で簡単に申請作業を完了することが可能です。また、システム上で業務が一元管理されているため、管理者も、一目で業務の状況を把握することができます。
内部統制の強化
業務フローがシステムによって可視化されることで、内部統制の強化につながります。
適切な業務フローを設定することで、誤って承認者をスキップしたり、申請ミスが発生したりすることの予防が可能になります。
また、業務プロセスの履歴を保存することもできるため、不審な動きがあった場合の証拠として残すこともできるでしょう。
ペーパーレス化とデータの活用
ワークフローをシステム上で行うことができるため、申請・決裁業務におけるデータが電子化され、ペーパーレス化につながります。
また、電子化された書類のデータは、システム上で管理することができます。そのため、ワークフローシステムを導入することで、ワークフローの見直しやなどデータの活用をしたいときに、アクセス権をもった従業員が、必要なデータをスムーズに利用できる体制づくりにも貢献します。
ワークフローの自動化を実施した具体例
実際に、ワークフローシステムを導入したことで、上記で解説したメリットを受けることができた企業の事例についてご紹介します。
業務効率化における具体例
九州旅客鉄道株式会社では、稟議申請業務における業務効率化を行うためにワークフローシステム「ワークフローEX」を導入。
従来、同社では稟議申請を紙ベースで行っていたため、最終決裁までの手続きに、日数単位で時間がかかっていました。同社の稟議案件のワークフローの課題は、膨大な量の稟議案件が発生していたこと、複雑な承認フローにありました。
手続きに時間がかかるだけでなく、稟議の進捗がどうなっているのかを把握することが難しい状態でした。
そうした状況を改善するため、複雑な承認フローを自動化できるワークフロー自動化機能がついた「ワークフローEX」を導入。最終決裁までの手続きは時間単位にまで短縮され、大幅な業務効率化につながったのです。
この事例の詳細は、以下よりご覧いただけます。
参考：「九州旅客鉄道株式会社における導入の効果」
https://www.workflow-ex.jp/works/work-2774
内部統制の強化における具体例
富士ソフト株式会社では、全社業務改革を目指してワークフローシステム「ワークフローEX」を導入。
管理部門の統合に併せて、業務の統合や集約を実施する中で、紙ベースで行われていた起案・承認・決裁プロセスのシステム化を決定しました。その際に重視したことの一つに、セキュリティの強化がありました。
回覧ごとのタイミングで履歴ファイルが残ることや、帳票シートの閲覧が可能なことでデータの改ざんをチェックできるようになったことで、内部統制の強化が実現。
「ワークフローEX」を導入し、決められた業務プロセスをシステム化したことで、確実に運用でき、また大幅なセキュリティ向上につながったのです。
この事例の詳細は、以下よりご覧いただけます。
参考：「富士ソフト株式会社における導入の効果」
https://www.workflow-ex.jp/works/work-2770
ペーパーレス化とデータの活用
静岡県庁では、職員の人事給与に関連する申請承認業務をワークフロー化するために「ワークフローEX」を導入。
人事に関する業務は、紙ベースによる申請承認処理が行われており、またシステムへのデータ投入がオペレータの一括パンチ入力によって行われていたため、担当者によるデータチェックが煩雑になり、入力ミスやコストが発生していました。こうした課題を受けて、ワークフローシステムの導入を決定。
担当者の作業が低減されただけでなく、申請帳簿が電子化されたことで紙の使用量が大幅に減少し、ペーパーレス化につながりました。その結果、データを円滑に活用することができるようになり、統計資料などの作成が容易になりました。
この事例の詳細は、以下よりご覧いただけます。
参考：「静岡県庁における導入の効果」
https://www.workflow-ex.jp/works/work-2705
ワークフローの自動化にはワークフローシステムの導入を
ワークフローの自動化は、多くの企業において導入し、適切に運用していくことが推進されています。
業務効率化や内部統制の強化など、企業活動の課題を解決するために欠かせないツールになっているワークフローシステム。
ワークフローを自動化し、より経営活動の生産性を向上させるためには、自社に適したワークフローシステムを見つけることが大切です。
自社の課題を洗い出し、適したワークフローシステムを導入しましょう。
ワークフローシステムをご検討の方はこちら
https://www.workflow-ex.jp/cloud
