電子決裁システムとは? 紙文書との違いや 導入のメリットを解説

近年、在宅勤務やリモートワークを取り入れる会社が増えてきましたが、それに伴い、ワークフローの見直しが必要になっています。

そんな中、場所を問わずに使用できるとして注目を集めているのが「電子決裁システム」です。今回は、電子決裁システムの概念や導入メリット、電子決裁システムを選ぶポイントについて解説します。

電子決裁と電子決裁システム

電子決裁とは、従来の紙による承認・申請業務を電子化することを言います。また、電子決裁システムは、紙による承認・申請業務を電子化するためのシステムです。近年では、電子決裁システムを取り入れる企業が増えていますが、なぜ注目されているのでしょうか。

電子決裁システムが浸透する理由

電子決裁が浸透する理由イメージ

平成30年に、デジタル・ガバメント閣僚会議によって、電子決裁移行加速化方針が定められました。

申請者も決裁者も自分のタイミングで書類の申請作業や決裁を行えるため、業務効率化につながることからも、電子決裁の普及を促進しています。

また、昨今では働き方改革の推進や2024年1月から施行の改正電子帳簿保存法の存在などもあり、環境の変化に対応すべく電子決裁を導入する企業が増えています。

紙文書での決裁との業務フローを比較

電子決裁システムを導入することで、どのような変化が起こるのでしょうか。ここでは紙文書で申請・承認業務を行う場合と、電子決裁システムで申請・承認業務をする場合のフローの比較を紹介します。

紙文書の場合

  1. 申請者が書類の作成
  2. 上司に渡す
  3. 上司の確認・押印
  4. 決済者に渡す
  5. 決裁者の押印
  6. 申請者への決済完了の連絡
  7. 書類をファイリングして保管

電子決裁の場合

  1. 申請者が書類の作成
  2. 上司に通知が届く
  3. 上司が承認ボタンを押す
  4. 決裁者に通知が届く
  5. 決裁者が承認ボタンを押す
  6. 関係者へ決済が完了したことの自動通知
  7. オンライン上に自動で保管

電子決裁にすることで、上司や決裁者に書類を手渡しする必要がなくなるため、業務フローを短縮することができます。

また、確認を行う方も、自分の都合の良いタイミングで確認・承認を行えるため、業務効率化にも繋がります。

電子決裁システムを導入するメリット

電子決裁を導入するメリットイメージ

続いては、電子決裁を導入することによるメリットを解説します。

業務の効率化

申請から決裁までノンストップで行えるため、業務効率化が可能です。承認依頼の通知が届くので、書類の確認漏れも防げます。

オンライン上に保存された書類は検索確認が可能なため、契約内容の確認も簡単。自分の好きなタイミングで申請や承認の作業ができるため、業務効率化が見込めます。

ペーパーレス化

今までは紙で行っていた決裁書類が、すべてオンライン上で行うことになるため、ペーパーレス化が可能になります。

すべてデータで保存されるため、書類の紛失防止にも繋がります。

場所を問わず決裁が可能

オンライン上にある文書は、社内にいなくても確認ができます。「捺印が必要な書類があるから出社しないといけない」といったこともなくなります。

外出の合間に入ったカフェや在宅勤務など、場所を問わずに決裁の処理が可能です。

内部統制の強化

電子決裁を取り入れることで、ワークフローが可視化されます。決裁までの流れを統一することで、確認漏れはないか、不正は発生していないかの確認がしやすくなります。

電子決裁システムを選ぶポイント

電子決裁システムを選ぶポイントイメージ

最後に、適切な電子決裁システムを選ぶために、気をつけたいポイントをご紹介します。導入後、社内での運用がスムーズにできるかどうかを見極めて選びましょう。

利用したい範囲を明確にする

利用したい範囲を明確にイメージ

誰が使うのか、どの業務に使うのかなど、利用する範囲を明確にしましょう。◯◯さんは電子決裁システムを使っているのに、◯◯さんは使わずに紙のまま申請している、などといったことがあると、業務効率化どころではなく、逆に手間がかかってしまいます。

電子決裁システムを使用する範囲を明確にし、自社の業務に適したシステムが備わっているものを選ぶようにしましょう。

操作しやすい仕様かを確認する

操作しやすい仕様かイメージ

実際に操作してみて、実業務に合っているかを確認しましょう。使いづらいシステムは、せっかく導入しても社内で浸透しなくなってしまう可能性があります。

システムのデモや、無料のお試し期間を設けているサービスもあるので、自社の業務にあったものを選びましょう。

他システムとの連携は可能かを確認する

他システムとの連携は可能かイメージ

販売管理システムや会計システムなど、自社で取り入れている他システムとの連携ができるものを選びましょう。業務がシームレスに進められるようになるため、さらなる業務効率化が見込めます。

オンプレミスかクラウドサービスかを検討する

操作しやすい仕様かイメージ

電子決裁システムにはオンプレミスとクラウドサービスの2種類があります。オンプレミスは、社内にシステムを構築する分、カスタマイズがしやすくセキュリティ対策を自社で実施できることです。

一方、クラウドサービスの電子決裁システムはオンプレミスに比べてコストを抑えられたり、障害対応をベンダーに任せられたりするのがメリットです。

Excelファイルを使用できるか否か確認する

他システムとの連携は可能かイメージ

自社の申請・承認業務にExcelファイルを使用している場合は、Excelファイルを使用できる電子決裁システムを選ぶのがよいでしょう。

なぜなら、Excelファイルを使用できない電子決裁システムの場合は、一から帳票や申請書を作成する必要があるためです。

Excelを使用できるか否か確認せずに電子決裁システムを導入すると「実は活用するまでに膨大な作業が必要だった」という事態になりかねません。

電子決裁システムにてExcelを使用する方法についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
【関連記事】ワークフローシステムにExcelファイルをそのまま使用する方法とは?

サポート体制が整っているかどうか確認する

操作しやすい仕様かイメージ

電子決裁システムを導入する際は、サポート体制が整っているかどうかも確認しておきましょう。メーカーによって、電話やメールでの対応の有無や緊急時のサポートは異なります。

中でも、導入前だけでなく導入後も十分なサポートを受けられる電子決裁システムであれば、リソースに不安のある企業でも安心して導入できるでしょう。

ワークフローシステムで業務を効率化する

電子決裁システムの導入は、業務フローを見直し、改善するためのチャンスにもなりえます。
電子決裁システムの導入を検討されている企業は、まず自社の業務フローを洗い出してから検討してみると良いかもしれません。

自社の業務フローに適切な電子決裁システムを導入しましょう。

ワークフローシステムをご検討の方はこちら
https://www.workflow-ex.jp/cloud

執筆者プロフィール
株式会社Knowlbo 代表取締役 斎藤友男
株式会社Knowlbo 代表取締役 斎藤友男
1986年、株式会社Knowlbo入社。コンパイラの開発からスプレッドシート、ビジュアルプログラミングツールなど、数々の言語処理系ソフトウェアを開発。 1994年に代表取締役に就任。多くのCOMコンポーネント製品をリリース。 .NETにも逸早く注目し、早くから.NETベースのオフィス系情報共有製品を次々にリリース。 その中の「ワークフローEX」は、2007年「Microsoft Innovation Award」のコマーシャル部門で優秀賞を受賞。

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