帳票におけるワークフローシステムの使い方とメリット

2022年に電子帳簿保存法が改正され、電子取引を行っている企業は、電子保存に対応した体制へと変革することが求められました。また、さまざまな経営活動や業務が電子化していく中で、帳簿においても同様に電子化の動きが活発になっています。
これまで、帳簿書類は基本的に紙による保存が必要でした。そのため、保管・管理における手間やコストがかかってきましたが、電子帳票に移行することで、こうした課題の解決が期待できるのです。

そこで今回は、帳票におけるワークフローシステムの使い方とメリットについて解説していきます。

そもそも帳票とは

帳票
帳票とは、経営活動に欠かせない取引や会計に関する記録書類です。「帳簿」と「伝票」の両方を指しています。

「帳簿」とは、企業が行った取引を記録したものです。会社の経営状況の把握や決算時などに利用する文書になります。例えば、仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳などがあります。
一方、「伝票」とは、企業のお金の動きを記録したものです。帳簿に記載された内容を事実確認するための書類になっています。例えば、入出金伝票、見積書、請求書、納品書などがあります。

帳票は、法人税法では7年間、会社法では10年間の保存が義務付けられています。そのため、10年もの間、書類を保管し続けることが必要です。紙文書の場合、事業規模が大きいほど、保管する場所や管理が煩雑になる可能性があります。
従来の紙文書による帳票の運用は、その種類の多さや保管期間の長さといった特徴もあることから、課題を感じている企業も多くあるでしょう。

帳票をワークフローで電子化するメリット

帳票をワークフローシステムで電子化

帳票をワークフローで電子化することで、主に以下のメリットを受けられます。

・業務効率化につながる
書類をまとめ、帳票を作成する手間を低減できます。紙文書では、帳票データを出力し、手書きで記入していた作業をPCで入力できるため、大幅な時間削減につながるでしょう。また、作成した帳票を確認する際にも、ページをめくらずに検索できるため、管理する負担の低減も期待できます。こうした工数の削減により、業務効率化が見込めるのです。

・テレワークなどの働き方への対応ができる
紙文書を利用していた場合、会社に出向いて直接押印することが当たり前でしたが、電子化により、出先や自宅からでも確認できるため、押印のために出社する必要がなくなります。
そのため、テレワークなどの柔軟な働き方に対応できるようになるでしょう。

・内部統制の強化
電子化し、システム上にプロセスを事前に登録することで、帳票作成の人為的なミスや改ざんを防ぐことができたり、履歴が残せたりするようになります。また、紙文書の場合には起こりがちだった紛失もほぼなくなるため、内部統制の強化につながります。

帳票を電子化した際の業務の流れ

それでは、帳票を電子化した場合における、実際の業務フローについて解説します。
電子化した際は、一連の業務の流れをすべてオンライン上でできるため、場所・時間を問わずに対応が可能になります。

1.書類の作成

申請者は、申請内容に該当する帳票をシステム上で検索し、申請フォームを選択します。その後は、画面上の入力事項どおりに入力して申請します。システムを導入後、事前にオペレーションを登録しておくことで、申請者の入力ミスの防止にもつながるでしょう。
また、捺印に関しても、オンライン上で行えるため、その場での申請が可能になります。

2.上長確認

上長による確認・処理も、システム上で実施できるため、手間がかかりません。システムを導入し、申請ごとに承認ルートを設定しておくことで、次の承認者を調べる手間もなく、自動でシステムが判断して申請書の送付が可能です。

3.戻し

申請内容に問題や不備があった場合にも、簡単に差し戻せます。また、コメント機能のあるシステムを導入していれば、申請者に問題点を知らせて差し戻すことが可能です。それにより、修正後の再確認もスムーズに進められるでしょう。

4.決裁

決裁後のデータはシステム内に一元管理されるため、見直しや確認が必要になった際にも簡単に検索できるようになります。また、過去データのアクセス権限を誰に与えるかまで設定しておくことで、改ざんなどのリスクに備えられるのです。

このように、帳票を電子化にすることで、全てオンライン上で対応することが可能となり、先述した業務効率化などのメリットを受けることができるでしょう。

ワークフローシステムの導入なら

帳票管理を電子化するなら、ワークフローシステムである『ワークフローEX』がおすすめです。現在使用しているExcelの帳票データを、そのままワークフローシステムにのせて活用することができるため、スムーズな移行が可能です。

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執筆者プロフィール
株式会社Knowlbo 代表取締役 斎藤友男
株式会社Knowlbo 代表取締役 斎藤友男
1986年、株式会社Knowlbo入社。コンパイラの開発からスプレッドシート、ビジュアルプログラミングツールなど、数々の言語処理系ソフトウェアを開発。 1994年に代表取締役に就任。多くのCOMコンポーネント製品をリリース。 .NETにも逸早く注目し、早くから.NETベースのオフィス系情報共有製品を次々にリリース。 その中の「ワークフローEX」は、2007年「Microsoft Innovation Award」のコマーシャル部門で優秀賞を受賞。

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