人口減少による労働力不足の解消や生産性向上のために、業務効率化は自治体や民間企業に関わらず推進すべき取り組みです。業務効率化の実現のために、ワークフローシステムやRPA、生成AIなどのさまざまなシステムやツールが提供されています。
しかし、「システムを活用することで、どのように業務効率化につながるのかわからない」とお悩みの企業も多いでしょう。実際の成功事例を把握することで、業務効率化を実現するためのイメージが見えてきます。
そこで、この記事では業務効率化を実現するアイデアやシステムを解説したのち、実際の成功事例を紹介します。
業務効率化によるメリット
まず、業務効率化によるメリットを解説します。
生産性が向上する
業務効率化することにより、本業に費やす時間を増やせるため、人時生産性が向上します。
人時生産性とは、従業員1人が1時間働くことで、どれだけの粗利益を生み出せるかという指標です。人時生産性が改善すれば、企業全体の売上や利益の向上にもつながります。
従業員の働きやすさにつながる
業務効率化にはさまざまな手段がありますが、どの手段も「ムダを削減する」ことや「業務をスムーズに進行する」ことにつながります。そのため、従業員の働きやすさも向上します。
例えば、プロジェクト管理ツールを利用すれば「プロジェクトメンバー一人ひとりに進捗状況について話を聞く」必要がなくなり、スムーズに業務に取り組めるでしょう。
コスト削減につながる
業務効率化に取り組む場合、多くのケースで何らかのシステムを導入します。
そのため、これまで購入していた紙代やインク代、郵送費などの経費を削減できます。また残業が発生する場合には、残業代の低減も可能です。
業務効率化を実現するアイデア
ここでは、業務効率化を実現するアイデアを解説します。
ムダな業務を削減する
まずは、ムダな業務の洗い出すことが大切です。その際には、業務プロセスごとに、行っている作業をすべてピックアップすることがおすすめです。可視化することで、ムダな業務が漏れてしまうことを防止し、上長に共有する際にもムダであることが伝わりやすくなります。
単純に「その業務がなくても問題ない業務」が含まれている場合には、工程そのものをなくしてしまうことで、業務効率化につながります。
マニュアル・規定の見直し
マニュアル・規定を見直すことで、属人的な要素を減らし、業務の標準化につながります。以下のようなポイントについて、確認しましょう。
- 現場の現状に適しているのかどうか
- 形骸化している部分はないか
- ムダにつながる規定がないか
また、そもそもマニュアル・規定がない場合には、まず作成しましょう。マニュアル・規定をきちんと活用できれば、品質の担保や教育にかかる時間の短縮につながります。
業務を自動化する
システムを導入し、いわゆる「作業」そのものを自動化することで、大幅な業務効率化が可能です。
業務効率化だけでなく、人材不足に悩んでいる企業にもおすすめの方法です。まだ紙媒体が業務の基盤となっている場合には、システム化による業務の自動化は早急に取り組むと良いでしょう。
業務を自動化できるツールの具体例は、のちほど詳しく解説します。
人材配置を見直す
業務量が多く、負担がかかっている部署と、比較的余裕がある部署で大きく分かれている場合、人材配置を見直すことも業務効率化につながるアイデアです。
人数だけでなく、経験年数やスキル・ノウハウ、得意分野なども含めて見直すと良いでしょう。ただし、このアイデアは属人的な要素となるため、あまり根本的な改善にはつながらない可能性があります。
業務効率化におすすめのシステム・ツール
業務効率化におすすめのシステム・ツールを解説します。
ワークフローシステム
ワークフローシステムとは、社内稟議・承認にかかる一連の手続き(ワークフロー)を電子化できるシステムです。
社内における事務作業の割合の大部分を占めるワークフローを、システム上で一元管理できるため、大幅な業務効率化につながります。また、ペーパーレス化や多様な働き方の実現にも欠かせないツールといえるでしょう。
ワークフローシステムの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:ワークフローシステムとは?導入のメリットとデメリットを解説
データベースツール
データベースツールとは、さまざまな分野のデータを一元管理できるシステムです。収集・蓄積したデータを活用することで、業務効率化につながります。
例えばカスタマーサポートであれば、顧客からのよくある質問をデータ化することで、対応マニュアルや回答事例集を作成できます。実際に問い合わせがあったときに、こうしたデータを活用すれば、スタッフはスムーズな対応が可能になるでしょう。
RPA
RPA(Robotic Process Automation)とは、日常的に行っている定型的な業務プロセスを、ロボットにより自動化できるシステムです。
例えば、データの入力・集計・生成や在庫管理などに活用できるため、大幅なリソースの削減につながります。また人的ミスを削減できることもメリットの一つです。
生成AI
生成AIとは、AIがテキストや画像、音楽などのオリジナルコンテンツを自動で生成する技術のことです。例えばChatGPTやGeminiなどが挙げられます。
生成AIを活用することで、資料の作成や会議の文字起こし、キャッチコピーのアイデア出し、画像作成などのさまざまな作業を自動化できます。
【システム別】業務効率化を実現した成功事例
最後に、業務効率化を実現した成功事例をシステム別に解説します。
ワークフローシステムの活用事例:富士ソフト株式会社
富士ソフト株式会社は、携帯電話、自動車、デジタル家電製品などの組込系ソフト開発や、業務系システムの開発・構築など、時代の最先端分野で活躍している会社です。
約240種類の申請書類フォームそのものは電子化されていたものの、起案・承認・決裁プロセスはペーパーベースでした。そのため、起案から決裁までに時間がかかっており、日々膨大なペーパーが消費されていました。
そこでExcel帳票をそのまま活用できるワークフローシステムを導入。まず240種類の帳票のうち、全体ボリュームの約8割を占める稟議・決裁系の13帳票からシステム利用を開始しました。
その結果、ペーパー使用が2割軽減。ペーパー自体の費用だけでなく、物理的移動が抑制されたため、業務効率向上による人件費削減、運送費削減にもつながりました。
富士ソフト株式会社の成功事例の詳細は、以下の記事をご覧ください。
ワークフローシステム導入事例:富士ソフト株式会社 様
データベースツールの活用事例:株式会社ビズリーチ
株式会社ビズリーチは、即戦力となる人材と企業を仲介する複数の事業を展開する企業です。
商談数を増やすために、リード獲得数の増加が課題でした。
しかし従来の問い合わせや資料請求などの入力フォームは、多くの項目を手入力する必要があり、利用者にストレスを与え、離脱する割合が高くなっていました。
そこで、法人マスタデータやナレッジデータなどの辞書ファイルを活用し、入力フォームの利用を簡単にできるツールを導入。その結果、入力フォームからの離脱を防ぎ、リード獲得のパフォーマンスを約1.6倍向上できました。
出典:uSonar「ビズリーチ、Pardotと連携できる顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」を導入し、 リード獲得率(CVR)1.6倍を実現」
RPAの活用事例:新潟県長岡市
新潟県長岡市では、データ入力や反復作業の効率化など、RPAを適用できる業務が一定数あったため、RPAを導入。自動化したのは、検診予約受付や検診結果通知、ネット予約者登録などの作業です。
その結果、庁内の7課18業務において、年間4,136時間に及ぶ労働時間の削減(削減率87.9%)につながりました。
生成AIの活用事例:LINEヤフー株式会社
LINEヤフー株式会社では、2023年から生成AIを全社員が利用できるようにしており、業務効率化や品質向上に活用。社員アンケート結果の集計や分析、企画のアイデア出しなどに活用しており、2024年2月時点で、約70%の社員が生成AIを役立てています。
出典:LINEヤフー「「AIと共に働く」LINEヤフーが生成AIツール導入で目指すもの」
業務効率化は自社に合ったシステムの導入を
この記事では、業務効率化のメリットや実現のためのアイデア、システム・ツールを解説しました。
業務効率化のためには、データベースツールやRPA、ワークフローシステムなどさまざまなシステムが提供されています。自社の課題を洗い出し、適したシステムを導入しましょう。
自社の稟議や決裁の電子化による業務効率化を実現したい場合には「ワークフローEX」の導入がおすすめです。ぜひ、導入を検討してみはいかがでしょうか。
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