ビジネスにおいては、取引先や社内の社員に何かを依頼する際、依頼を円滑に進めるために依頼書を作成します。
しかし、はじめて依頼書を作成する場合、「どのような依頼の場合、依頼書が必要かわからない」「依頼書の作成方法がわからない」という方も多いでしょう。
そこで、この記事では依頼書の概要や種類、基本的な項目や書き方のテンプレート、作成のポイントを解説します。
依頼書とは
依頼書とは、相手への依頼内容を正確に伝えるための手段です。
ビジネスにおける社内外の関係者に依頼書を送付します。
依頼書における内容には、何らかの業務を依頼することが記載されます。
社内だけでなく外部の取引先や有識者、顧客などに送付するため、簡潔かつ丁寧な文章を心がけることが必要です。
また依頼書を作成することで、業務に関するやり取りの履歴を残せるため、トラブルの防止にもつながります。
ただし、基本的には口頭もしくはビジネスチャットツールで業務を依頼することが一般的です。
依頼書が必要になるのは、相手が遠方にいる際やチャットツールが使用できないとき、正確に業務内容を伝えたいときなどが挙げられます。
依頼書の主な種類
ここでは、依頼書の主な種類を解説します。
社内向け
社内向けの依頼書には、主に以下の種類があります。
- 支払依頼書
外部業者から商品・サービス、設備などを購入する際に、取引先から届いた請求などの買掛金の支払いを経理部門に依頼するための社内文書です。
取引先からの請求書は、取引を行った部署に届くことが多くあるため、社内への連絡として支払依頼書が使用されます。
- 押印依頼書
取引先との契約や社内の稟議において、押印を依頼するための文書です。
例えば、稟議書や決裁書、契約書などにおいて押印が必要な際に、押印依頼書が使用されます。
押印申請することで、取引や書類が「正式な手続き」として認知されるための正確性・信頼性を確保します。
またこの他にも、社内向けアンケート依頼書や作業依頼書、修理依頼書などが挙げられます。
社外向け
社外向けの依頼書には、主に以下の種類があります。
- 発注依頼書
外部業者から商品・サービス、設備などを購入する際に、注文内容を取引先に依頼する文書です。発注書や注文書とも呼ばれています。
一般的に企業間の取引で使用されるため、飲食店などの一般の消費者との間に使用されることはありません。
- 取材依頼書
取材依頼書とは、取材実施者が、その対象者に対してインタビュー取材の許可を得るための文書です。
一般的に、書類の概要や目的、日時などの内容を記載します。
取材対象が著名人の場合には、所属企業やマネージャーなどに送付することもあります。
また、この他にも見積依頼書や口座振込依頼書、配送依頼書などが挙げられます。
依頼書の基本的な項目とテンプレート
ここでは、依頼書の基本的な項目とテンプレートを紹介します。
基本的な項目
依頼書に記載すべき基本的な項目を、以下にまとめました。
- タイトル
タイトルは、一目で依頼内容がわかるようにシンプルな言葉を用います。
一般的に普及している依頼書であれば、「作業依頼書」や「見積依頼書」などがタイトルになります。
しかし、単発の依頼などの場合には、例えば、「〇〇に関する社内調査へのご協力のお願い」「〇〇セミナーにおける講演のご依頼」など、わかりやすいように記載します。
- 前文
前文は、ビジネスシーンで一般的に使用する「拝啓」「謹啓」「時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」などの挨拶や、時候の挨拶を記載します。
ただし社内向けのシンプルな依頼書の場合には、前文を省略することも多くあります。
必要に応じて、使い分けると良いでしょう。
- 依頼内容
依頼内容はわかりやすく、かつ具体的に記載します。
依頼書の種類により、依頼内容は大きく異なります。
日時や場所、期限、依頼料などの条件がある場合には、箇条書きにするなどして見やすくなるよう工夫しましょう。
また必要に応じて、依頼する背景についても記載することで、依頼における認識のズレを少なくできます。
- 文末
文末には、前文に合わせた結びの語や挨拶を記載します。
例えば、拝啓の場合には「敬具」と記載するのが一般的です。
依頼書の対象によっては、「ご多用のところまことに恐縮ではございますが、下記要領にて〇〇していただきたく、お願い申し上げます。」などのように丁寧に記載しますが、社内のシンプルな依頼書の場合には、省略することもあります。
【テンプレート】依頼書の具体例
以下に、実際に依頼書の具体例のテンプレートを紹介しますので、作成時の参考にしてください。
場合によっては、箇条書きや表を用いることで、より見やすく作成できます。
上記は社外向けのテンプレートですが、社内向けの場合には、タイトルや依頼内容などの必要最低限の項目のみ記載することが一般的です。
依頼書を作成するポイント
ここでは、依頼書を作成するポイントを解説します。
統一したフォーマットを使用する
各個人が必要に応じて都度依頼書を作成すると、取引先から内部統制が取れていない組織と感じられてしまう可能性があります。
また作成にも時間がかかってしまい、効率的とはいえません。
そのため、組織として各依頼書に応じて統一したフォーマットを制作しましょう。
多くの従業員が日常的に使用するため、編集権限や変更履歴を記録できるワークフローシステム上で管理することがおすすめです。
5W1Hを意識する
依頼書を使用する目的である「依頼内容を正確に伝える」ためには、5W1Hを意識して作成することが重要です。
- When:いつ(日時)
- Where:どこで(場所)
- Who:誰が(対象)
- What:何を(依頼内容)
- Why:なぜ(依頼の背景)
- How:どのように(手段)
また、この他にも「どれくらいの規模」、「どのくらいの価格」かについても必要になる場合があります。
簡潔かつわかりやすく記入する
依頼内容は具体的に記載することが必要ですが、読みにくい文章になってしまっては誤解を与えてしまうかもしれません。
誤解は認識のズレとなり、トラブルにつながることもあるため、極力避けたいところ。
そのため、作業書自体をわかりやすく短文で記載したり、箇条書きを使用したりすることも大切です。
また、必要に応じてイメージ画像や資料を添付して、できる限り正確に伝わるように工夫しましょう。
依頼書の一元管理には「ワークフローシステム」がおすすめ
この記事では、依頼書の概要や種類、基本的な項目や書き方のテンプレート、作成のポイントを解説しました。
個々人が必要に応じて依頼書を作成すると、手間や時間がかかり、内部統制を図ることは難しいでしょう。
ワークフローシステムを導入すれば、統一した依頼書を社員全員が使用できます。
自社の依頼書作成をExcelで行っている場合には、使い慣れたフォーマットをそのまま使用できる「ワークフローEX」の導入がおすすめです。
ぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ワークフローシステムをご検討の方はこちら
オンプレ版
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