そこで本記事では、ワークフローの申請業務をラクにするための電子化のメリットやその方法について詳しく解説していきます。
ワークフローとは
そもそもワークフローとは、業務における一連の作業や流れを図式化したものです。ビジネスにおける多くの業務は「申請」「承認・確認」「最終決定」この流れに沿って行われています。
そのため、ワークフローを定義づけしておくことで、ある業務に必要なフローが明確になります。その結果無駄な手順が省け、業務効率化につながるのがワークフローが存在するメリットです。
ワークフローの申請業務とは
業務の中でも、申請業務はビジネスのあらゆるシーンで必要となり、いかにスムーズに行えるかがポイントのひとつです。
申請業務といってもさまざまですが、一社員では判断できない事柄に対して申請を行うことが多く、原則、申請者よりも立場が上の者に承認を仰ぎます。
この申請から承認、そして決裁に至るまでの業務を申請業務と言います。
申請書類の一覧
申請書類には業種や職種に問わず、さまざまな種類があります。
ここでは、ワークフローの利用シーンで多く使われる申請書類の一例を、4つの経営資源に分けて一覧でご紹介します。
ヒト
採用稟議書
人事評価
面接報告
休暇取得申請
休日出勤申請
モノ
物品購入
備品貸出
会議室利用
固定資産破棄
発注書
カネ
支払稟議
経費精算
旅費精算
交際費申請
情報
アカウント管理
ネット接続許可
ソフトウェア利用申請
秘密保持契約締結申請
ワークフローの申請を紙で行うデメリット
ワークフローにおける申請業務は、一般的に紙ベースで行われてきました。しかし、紙による申請業務にはさまざまなデメリットがあります。
ここでは、ワークフローの申請を紙で行う懸念点について解説していきます。
申請が停滞・遅延する可能性が高くなる
紙による申請は、他の書類に紛れてしまい申請が滞ってしまうことも珍しくはありません。申請が滞ってしまうと、申請内容のスケジュールが遅延する可能性も高くなり、ビジネスチャンスを逃してしまうということも考えられます。
承認フローが決まっておらず、申請ルートが書類によってバラバラの場合、確認工数だけでも非常に業務を圧迫してしまいます。
印刷コストが発生する
申請をする度に書類を印刷しなければいけないため、印刷コストが発生します。稟議申請のたびに印刷が発生していると、紙やインク代などの印刷にかかるコスト以外にも、紙を保管するスペースやファイルなどの備品にもコストがかかるというデメリットがあります。
セキュリティにリスクがある
紙による申請業務は、承認者に回覧している際に紛失してしまうというリスクがあります。
また、誰が書類を持っていて、どこまで承認が進んでいるのかという承認状況を把握できないため、紛失だけではなく改ざんなどのリスクも考えられます。
ワークフローの申請業務を電子化するメリット
紙による申請業務にはデメリットも多く、業務効率化の観点からも改善できる点が多いため、近年では申請を電子化する動きも増えてきています。
では、申請業務を電子化するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、電子化のメリットについて解説していきます。
業務が効率化する
紙を電子データに移行することで、パソコンからいつでも申請業務及び承認業務を行うことができるようになります。そうすることで、申請が停滞することなくスムーズにワークフローを進めることができ、結果として業務の効率化に繋がるのです。
内部統制が強化される
電子化をすることで、申請業務をすべてオンライン上で完結させることができるようになります。そのため、申請の進捗状況をリアルタイムで把握できるようになる上に、変更履歴なども閲覧できるため、改ざんなどを防止することができ、内部統制の強化に貢献します。
働き方改革・リモートワークの推進に貢献する
新型コロナウイルスの影響を受け、近年ではリモートワークが普及しています。一方で、申請や承認業務のために出社するというケースも多く、紙での申請業務はリモートワークに対応できませんでした。
しかし、申請業務の電子化を行なうことでいつでもどこでも申請が可能になるため、働き方改革やリモートワークが促進されやすくなります。
ペーパーレスによりコストが削減される
書類や押印の電子化はペーパーレス化に繋がります。社内に紙として書類を保管する必要がなく、書類の管理にかかっていたコストを削減することが可能です。
また、書類の管理に必要な業務も削減できるため、コア業務に集中しやすくなるのもメリットでしょう。
ワークフローの申請業務を電子化する方法
申請業務の電子化は企業に多くのメリットをもたらしますが、どのように電子化することができるのでしょうか?ここでは、申請を電子化する方法について解説していきます。
ワークフローシステムを導入する
申請を電子化する際には、ワークフローシステムの活用がおすすめです。そもそもワークフローシステムとは、申請業務をWeb上で完結させる機能が備わったシステムのことを指します。
申請書の作成から回覧、承認、決裁までの一連の流れをすべてシステム化することができるため、申請業務の効率化に大きく貢献します。承認ルートも明確化できるため、申請者だけではなく管理者にとっても業務を可視化できるシステムになっています。
電子印鑑システムを導入する
申請業務では複数人に承認を仰ぎますが、その際に承認をした証明として承認者は書類に押印をします。この押印業務も、システム化することで出社することなくオンライン上で完結させることができます。
電子印鑑システムを備えたワークフローシステムを利用することで、電子データでの押印が可能になるため、通常の物理的な印鑑を使わずに済みます。そして、すべて電子印鑑で管理ができると、紙と電子を混在することなくワークフローを進めることができます。
ワークフローシステムを選ぶ際の3つのポイント
ワークフローシステムを検討している場合には、以下の3つのポイントをチェックすることで、導入効果を得られやすくなります。
1.申請フォーマットの種類を確認する
ワークフローシステムは製品によって申請フォーマットが異なります。大きく分けてWeb専用フォームタイプとExcelタイプの2種類があります。
Web専用フォームタイプのワークフローシステムは、データ処理スピードが早い反面、申請フォームをいちから作成する手間がかかります。日頃から申請書類をExcelで作成している企業で、使い慣れたExcelをワークフローシステム導入後も活用したい場合はExcelタイプのワークフローシステムが向いているでしょう。
2.システム連携の可否をチェックする
ワークフローシステムを導入する際はシステム連携の可否もチェックしておきましょう。なかでも、基幹システム・各種社内コミュニケーションツールなどと連携できるかどうかは重要です。
3.サポート体制が充実しているシステムを選ぶ
サポート体制が整っているシステムを選べれば、導入後にスムーズに申請業務を電子化できます。また、トラブル時にも素早く対応してくれるため、業務が滞る心配も減らせるでしょう。
ワークフローシステムの SaaSと OSS の違い
ワークフローシステムには、SaaSとOSSがあり、ここでは、それぞれの違いについて解説していきます。
SaaS
SaaSとは、「Software as a Service」の略で、ベンダーが提供するクラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネットを経由してユーザーが利用できるサービスのことです。
SaaSは、インターネット環境があればどこからでもシステムにアクセスができると言う利点があります。また、ソフトウェアの開発をする必要がないため導入コストが安いのもメリットの一つです。
OSS
一方でOSSとは、「Open Source Software」の略で、作成者がソースコードを無償で公開していて、利用や改変、再配布が自由に許可されているソフトウェアのことです。
OSSは、ソースコードが公開されていることにより、不正なプログラムや脆弱性などを常に確認できるため、信頼性があります。
また、ワークフローシステムにはサーバーやソフトウェアなどの設備を、実際に社内に設置して運用する、オンプレミス製品もあります。
ワークフローシステムを運用する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社にあったものを活用することが重要です。
まとめ
本記事では、ワークフローにおける申請業務の電子化のメリットや方法について解説しました。紙で行なう申請業務にはデメリットも多く、テレワークが推進される中で業務効率の改善をすべき業務の一つでもあります。申請業務にワークフローシステムを活用することで、各種申請がラクになり、承認手続きも簡略化されるでしょう。
自社のワークフローにおける申請業務を見直し、ワークフローシステム導入による業務効率向上を目指してみてはいかがでしょうか。
ワークフローシステムをご検討の方はこちら
クラウドサービスのワークフローシステム