ワークフローの 「差し戻し」とは? 原因や対策を解説

申請・承認、決裁などの業務は、形式や方法、申請経路が決められているため単純な作業ではありますが、意外と「差し戻し」されるケースが多くあるのではないでしょうか。

ワークフローの「差し戻し」が多く発生すると、業務効率が低下したり、内部統制のリスクが増したりと企業全体にマイナスに働く可能性があるため、また申請しなおせばよい、と対策を練らない状態が続くのはおすすめできません。

そこで今回は、ワークフローにおける「差し戻し」の概要やその対策について解説していきます。

ワークフローとは

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ワークフローとは、業務においての一連の流れのことを指します。
例えば、有給申請をする際は、所属部署の他に、人事部などの関係者の承認フローが必要となります。

こういった、組織内で複数の人間が関わる業務をルール化し、決められた流れに沿って処理すること、また図式化したものをワークフローと言います。

ワークフローシステムとは

ワークフローシステムとはイメージ

ワークフローシステムとは、そんな申請・承認、決裁などのワークフロー業務を電子化し、PCやモバイル端末の画面上で行うことができるシステムです。

ワークフローシステムは、企業活動を最適化していく重要なツールとして、多くの企業で導入が進められています。

紙文書と電子化のワークフローの違い

紙文書と電子化のワークフローの違いイメージ

紙文書によるワークフローは、基本的にすべての作業を手作業で行う必要があるため、申請者・承認者それぞれに手間や時間がかかります。

また、承認者は、申請書を保管するスペースを用意し、書類を管理しなければなりません。申請の量が多く、管理が煩雑になればなるほど、承認者の管理にかかる手間や時間が増え、本来の仕事を圧迫する可能性があります。

このように紙文書によるワークフローによる負担が大きいと、従業員が本業に集中する時間を奪うことになり、業務効率や従業員のモチベーション低下につながりかねません。

一方、ワークフローシステムを導入し、ワークフローを電子化することで、紙文書におけるワークフローの問題点の解決が期待できます。

まず、システムが自動化されるため、従業員にかかっていた手間や負担が軽減され、業務効率化を図ることができます。また、管理においてもシステム上にデータが集められるため、承認者が管理する必要もありません。

ワークフローシステムの詳細は下記記事も参考にしてください。
https://www.workflow-ex.jp/documents/about_work_flow4-4

ワークフローシステムのステータス設定と差し戻し

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ワークフローシステムを導入することで、さまざまなメリットにつながる可能性があることを解説しました。次に、ワークフローシステムを導入した場合に必要なステータス設定と、差し戻しについて解説します。

ワークフローシステムのステータス設定

ワークフローシステムを導入し業務効率を高めたい場合、まずはステータス設定が必要となります。

紙文書におけるワークフローの問題点の一つに、現在、申請した案件が承認ルートのどこにあるのかを把握することが難しく、電話やメールで確認しなければなりませんでした。

しかし、ワークフローシステムではそれぞれの申請の種類ごとに、現在の状態を表すステータスを設定することができるため、ワークフローの管理が簡単に行えるようになりました。
例えば、「承認待ち」「承認済み」「完了」「差し戻し」「見送り」といったステータスです。

このステータスを設定することで、申請者はシステムにアクセスすることで、申請案件の状態をすぐに把握できます。

ワークフローシステムの差し戻し

ワークフローにおけるステータスのひとつに、「差し戻し」があります。差し戻しとは、承認者・決裁者が申請者に対して申請書を戻す処理のことで、申請者が提出した申請内容において修正を指示するために行われます。

差し戻しが発生すると、申請者は申請内容を確認し、修正し再提出する手間がかかります。また、承認者についても再提出された申請書を再度確認しなければなりません。よく似た内容に「却下」がありますが、却下されると、申請者は新規申請として再度申請をし直さなければなりません。

このように、差し戻しが発生すると、申請者・承認者ともに作業工程が増えることになります。そのため、いかに差し戻しの発生を抑えていくかが大切になるのです。

差し戻しへの対策

1件にかかる差し戻しへの対応はすぐに完了できても、会社全体で、年間で考えた場合には業務効率に大きな影響を与える要因になりかねません。そのため、ここでは差し戻しへの対策について解説します。

一般的な対策

一般的な対策イメージ

紙文書によるワークフローを実施している企業も、ワークフローシステムを導入している企業も、できる対策としては業務フローやルールの見直しを行うことが挙げられます。
申請から承認までの申請経路は適切か、ルールは最新のものにアップデートされているかなどを確認してください。

また、現在使用している申請書のフォーマットが従業員にとって使いやすいものになっているかどうか見直しましょう。

ワークフローシステムにまつわる対策

ワークフローシステムにまつわる対策イメージ

ワークフローシステムでの対策については、まず、上記で紹介したステータス設定を行う必要があります。また、従業員が申請・承認しやすいように申請経路や、申請フォームを勝手に編集できないようにアクセス権限の設定も必要です。

このようにワークフローシステムの設定を適切に行うことで、申請における差し戻しの数は低減するでしょう。

次に、ワークフローシステムの機能については、差し戻しが発生した場合にスムーズに作業を開始することができるように、通知機能は欠かせません。差し戻されたことに気づかないと、申請期限に間に合わなくなってしまう可能性があるためです。

また、コメント機能やチャット機能がついているワークフローシステムの場合には、ルールと異なる申請になった理由や差し戻された理由を記載することができるため、差し戻しへの対応にかかる時間の短縮につながるでしょう。

ワークフローシステムの導入を検討されている企業においては、差し戻しが低減可能な設定を行うことと、差し戻しが発生した際の対応機能が充実しているかどうかを見るようにしてください。

定期的なワークフローの見直しを

ワークフローシステムは、ワークフローにかかる業務効率化に貢献してくれるツールとして、多くの企業で導入が進められています。しかし、ワークフローシステムを導入しても、不備による差し戻しが必ずなくなるわけではありません。

そのため、時代が変わっても、ワークフローを最適化するためにはPDCAサイクルで改善し続けていくことが必要です。従業員の声をすくい上げ、最適なワークフローの実現を目指しましょう。

執筆者プロフィール
株式会社Knowlbo 代表取締役 斎藤友男
株式会社Knowlbo 代表取締役 斎藤友男
1986年、株式会社Knowlbo入社。コンパイラの開発からスプレッドシート、ビジュアルプログラミングツールなど、数々の言語処理系ソフトウェアを開発。 1994年に代表取締役に就任。多くのCOMコンポーネント製品をリリース。 .NETにも逸早く注目し、早くから.NETベースのオフィス系情報共有製品を次々にリリース。 その中の「ワークフローEX」は、2007年「Microsoft Innovation Award」のコマーシャル部門で優秀賞を受賞。

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