項目 | 内容 |
---|---|
https://www.workflow-ex.jp/wp-content/uploads/2022/07/wfex-case0007.pdf |
WORKS導入事例とその効果
富士ソフト株式会社 様
全社業務改革をめざして電子帳票ワークフロー化を決断。
選んだシステムは、ユーザーにやさしく、セキュリティに配慮した「ワークフローEX」。
1970年の創業から40年。携帯電話、自動車、デジタル家電製品などの組込系ソフト開発や、業務系システムの開発・構築、さらにクラウドコンピューティング事業を展開するなど、時代の最先端分野で活躍している独立系のシステムインテグレータ、富士ソフト株式会社。
同社では大規模な組織変更を機に、業務の統合・集約化を決断。全国展開を行う同社にとって必要なことはロケーションを意識せずに業務を可能とする電子帳票化とそのワークフロー化だった。“ユーザーにやさしく、セキュリティに厳しいワークフローシステム”を合い言葉に、複数の候補製品の中から選択されたのが、株式会社ナルボの「ワークフローEX」だった。
導入により、ワークフロールートの詳細分析が可能になったとともに、セキュリティ強化、コスト削減も実現した。
携帯電話、自動車、デジタル家電製品などの組込系ソフトウェアや金融、流通、製造などの分野における業務系システム、さらにクラウドコンピューティングなど時代の最先端分野で採用されているのが富士ソフトのITソリューションだ。最近新たな展開として注目を集めているのが、パーソナルホームコンシェルジュ ヒューマノイドロボット「PALRO(パルロ)」。これは、同社が強みを誇る組込技術を発展させて開発したもの。“コミュニケーション知能”と“移動知能”を有し、人に毎日の生活を楽しんでもらいながら情報やサービスの提供を行うことができる。このように、「ITを変える、 ITソリューションベンダー」として、富士ソフトはたゆむことなく情報技術の追求に邁進し続けている。
社名:富士ソフト株式会社
所在地:神奈川県横浜市中区桜木町 1-1
資本金:262億28万円(2009年3月末現在)
設立:1970年(昭和45年)5月15日
従業員数:6,058名(2009年3月末現在)
事業概要:組込系ソフト開発、業務系システム開発・構築、アウトソーシング、プロダクト&サービス
URL:http://www.fsi.co.jp/
STORY 1大規模な組織変更をきっかけに全社業務改革を志向
富士ソフト株式会社は、組込系ソフト開発や業務系システムの開発・構築、アウトソーシングサービスなどを主要事業とするシステムインテグレータだ。創業は1970年5月。横浜市に株式会社富士ソフトウエア研究所を設立したのを皮切りに、今日まで順調に業容拡大してきた。首都圏に10オフィス、全国に26オフィスを有し、さらに2010年3月には台湾に台北支店を開設した。現在では従業員数が6,000名を超える大企業に成長している。
2008年、同社では管理部門を統合する大規模な組織変更を実施した。これを機に取り組むことになったのが、全社レベルのさまざまな業務の統合・集約化である。全国展開を行う同社にとってロケーションを意識せずに業務を可能とする電子帳票化とワークフロー化は必要不可欠。同社には承認を必要とする書類が約240種類あり、書類フォームそのものは電子化されていたものの、起案・承認・決裁プロセスはペーパーベースで行われていたのである。そのため、起案から決裁までに時間がかかりがちで、日々膨大なペーパーが消費されていた。富士ソフト株式会社 ITマネジメント部長 山岡寛典氏は当時をこう振り返る。
「当社の役員層は、経費節約のため、会議で使用される会議資料は紙で出力させず、会議中も電子ファイルを閲覧します。
しかし、それが現場にまで徹底されていないのが現実でした。電子ファイルを確認のために紙出力したり、承認に回す書類を万一のためにコピーしたり。オフィスが分散しているので仕方がない面もあるのですが、何とかこの習慣を変えて、業務効率を向上させたいという思いがありました」
STORY 2操作性とセキュリティ機能を評価して「ワークフローEX」を選択
富士ソフトではさっそく、あるワークフローシステムを試験導入し、どれほど効果があるものか部門内で検証してみた。その結果、起案・承認・決裁プロセスを改革できるという感触を得られたことから、本格的な製品選定に入った。そこで5社7製品が候補に挙がり、最終的に採用されたのが、株式会社ナルボの「ワークフローEX」だった。選定の基準とされたのは、基本機能、セキュリティ、拡張性、入力者・承認者の操作性、価格などだったが、特に“これだけは譲れない”と重視したのは入力者・承認者の操作性だったという。富士ソフト株式会社 ITマネジメント部 情報システム室 主任 山嵜学氏はこう語る。
「ワークフローシステムを日々利用するのはユーザー部門。操作性で不便な思いをしてほしくありませんでした」
山嵜氏を補足して詳細を語るのは、富士ソフト株式会社 総合管理部 リーダー 熊本美幸氏だ。
「当社は帳票フォームにExcelを利用しており、『ワークフローEX』ならこれをそのまま使って運用できます。また画面のLook&Feelも、普段使い慣れているOffice Outlook Expressに似ており、この2つの点でユーザーへの教育が順調に行くという期待が持てました」
同社がもう一つ重きを置いた機能にセキュリティがある。富士ソフト株式会社 ITマネジメント部 情報システム室 リーダー 嶋内美帆氏は語る。
「『ワークフローEX』には、回覧ごとの各タイミングで履歴ファイルが残る、各タイミングのExcelワークシートも閲覧可能であるため、改ざんのチェックが可能であるなどの機能が備わっており、これを評価しました。ただ、導入にあたっては、さらに高い内部統制をめざしたいと、入力者、承認者が扱えるExcelシートの制限機能の付加を要望したのですが、ナルボ様は積極的に対応してくれました」
このほか、投資対効果の高い製品価格体系や、同社グループ企業ですでに導入実績がありナレッジを得やすいことなども、今回の選定を後押しする遠因となった。
STORY 3導入でつかめたワークフロールートの実態、セキュリティ向上、コスト削減効果も
2009年11月、「ワークフローEX」はまず総合管理部門において先行利用が始まり、1ヵ月後の12月、全社員を対象として本格展開された。この時点で適用されたのは、240種類の帳票のうち全体ボリュームの約8割を占める稟議・決裁系の13帳票だ。即効性の高いものから始めようというわけである。利用にあたってユーザー部門にとまどいはなかったという。
特徴的なのは、導入時点で承認ルートの見直しをしなかったことだ。それは、運用開始後に履歴分析を行えば自然と解が得られるからという理由によるものだった。「ワークフローEX」の導入が業務改革の足がかりになると判断したのである。実際、同社は2010年1月中旬から履歴分析を実施。それにより、全社平均でワークフロー案件1件に対し17名が関係し、決裁までに2週間かかっていることが判明したという。ペーパーベースのワークフローでは容易につかめなかった実態が、明らかになった瞬間だった。この事実を受けて、同社では新年度の4月より、「1ウィーク5パス」というスローガンとともに、ワークフロープロセス簡素化を推進することにしたという。その際には、起案・承認・決裁状況をポータルサイトで統計情報として公開することも考えている。
導入効果はほかにもある。富士ソフト株式会社 総合管理部 業務管理室長 塩川秀雄氏は語る。「まず内部統制観点から、決められた業務プロセスをシステム化により確実に運用できると言うこと。そして大幅なセキュリティ向上が実現しました。ペーパーベースの帳票では紛失や、想定されていない人物に閲覧される潜在リスクが存在しましたが、それがシステム化により大きく低減し、システム制御により改ざん防止を行っている安心感もあります」
また、コスト削減にもつながっているという。13帳票をワークフローに載せただけで、ペーパー使用が2 割軽減できたのだ。ペーパー自体の費用だけでなく、物理的移動が抑制されたため、業務効率向上による人件費削減、運送費削減も、確実に実現しており、結果として環境保全にも繋がっているそうだ。
山嵜氏は今後の展開を次のように語る。
「当社はこのワークフロー基盤を徹底活用したいと考えています。それには4つの機能が重要です。1つめは、ワークフロー進捗状況の可視化を中心とする更なるLook&Feelの向上、2つめは、別の仕組みで回っている帳票を『ワークフローEX』に取りこむ“インプットの自動化”、3つめは、決裁がおりた帳票上のデータをバックシステムに渡せる“アウトプットの自動化”、4つめは、帳票のルート設定の一括処理を可能にするような“設定支援ツールの充実”。今後、ナルボ様の協力を得ながら、これらの機能を組み込んでいきたいですね」
山嵜氏がこう語るのは、4つの機能の実現により、ユーザー部門が部門内で管理している帳票を自分たちでワークフロー化できるからだ。たとえば、開発部門には要件定義書や進捗報告書など帳票が膨大にあり、これらをワークフロー化できれば、業務効率向上のインパクトは決裁・稟議系帳票以上に大きいのだ。
「長期的には、PC画面のみならず、モバイル端末や電話、当社のヒューマノイドロボット『PALRO』などからのアクセスも可能になるといいと思います。稟議・決裁活動が滞るということは、企業活動が滞るということ。できるかぎり流れを止めない仕組みを構築していきたい。その意味で、ワークフローシステムは止まっては困る基幹システムです」
山岡氏は断言した。成長を続ける同社の企業活動の中核に位置づけられた「ワークフローEX」。6,000名の業務推進を力強く支える基盤としてさらに重みを増していく。
ご対応いただいた方々
富士ソフト株式会社
ITマネジメント部 情報システム室リーダー 嶋内 美帆氏
富士ソフト株式会社
総合管理部リーダー 熊本 美幸氏
富士ソフト株式会社
総合管理部 業務管理室長塩川 秀雄氏
富士ソフト株式会社
ITマネジメント部 情報システム室主任 山嵜 学氏
富士ソフト株式会社
ITマネジメント部長山岡 寛典氏